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かたちの源

形はどこから生まれるのか。

どのように形を導いていくべきか。
 

もちろん、明確な答えがあるとは思えません。それでも思案する拠り所として、迎え入れてくれる場があるように感じています。
 

単純に考えると、形は機能に従って導き出されます。ある目的を達成するために生まれた形は、最も純粋な形とも言えます。形を定める過程で、作り手の趣味や趣向を反映させることもできます。デザイナーやアーティスト等の感性を有した形は、世の中に彩を与えてくれます。しかしながら、強烈な自己表現の集まりが美しいかといえばそうではありません。だからといって、すべて円や四角といった幾何学的な図形で構成してしまうと、どこか無個性で、均一的かつ機械的なものになるように感じます。中立的かつシンプルなプロダクトに特別変な感情は抱きませんが、何か大切なものも削ぎ落されているように感じてなりません。

――では、何を大切にしたらいいのか。

 
原点回帰的ですが、思案の末に「風土と歴史」を尊重することが「いい形」を生み出す大切な作法なのではないかと考えるようになりました。
 
なぜこのような考えに至ったかといえば、自らの感性のみを拠り所にするよりも、土着の文化や精神風土、さらには固有の気候や、脈絡と受け継がれて来た技術や美意識等に寄り添い生み出す方が、自然の理のごとく、遥かに優れた形が生まれると感じたからです。
 
「風土と歴史」は思考の源泉であり、「かたちの源」といっても過言ではありません。そして幸いにも風土と歴史は、あらゆる国や地域に存在し、誰もがその恩恵を享受することができます。

 

「かたちの源」は、世の中を豊かにする叡智で溢れています。

戸田光祐(とだこうすけ)

KOHSUKE TODA
 

1989年生まれ。領域を越境したものづくりを行っており、データや手づくりを問わず、生み出した「もの」を慈しむ「とき」を大切にしています。近年は「風土と歴史」を思考の源泉と据え、美意識や価値観といった土着の文化や精神性を体現した作品を手掛けています。

Award

2023年
工芸都市高岡2023クラフトコンペティション
漆 優秀賞

2023年
ふくしまベストデザインコンペティション
プロダクト部門 ゴールド

2018年
湯河原駅前美術館デザインコンテスト 佳作

2016年
飛騨木工連合会 飛騨の家具アワード 優秀賞

2015年
公益財団法人日本デザイン振興会 2015年度
グッドデザイン賞

2014年
富士吉田地域デザインコンペティション
プロダクト部門 優秀賞

2014年
MUJI AWARD 04 審査員推薦

2014年
戸田市社会福祉事業団マスコット
キャラクターコンペティション 採用

2013年
公益財団法人日本デザイン振興会 2013年度
グッドデザイン賞

2011年
東京工芸大学芸術学部卒業制作展2011
ヒューマンプロダクトコース賞

2005年
高校生ものづくりコンテスト電子回路組立部門
東海大会四位

本着物とは
  • 風土的、歴史的、伝統的であり、霊性、個性、時代性といった性質を有する衣服を「本着物」と定義しています。