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かたちの源
形はどこから生まれるのか。
どのように形を導いていくべきか。
もちろん、明確な答えがあるとは思えません。それでも思案する拠り所として、迎え入れてくれる場があるように感じています。
単純に考えると、形は機能に従って導き出されます。ある目的を達成するために生まれた形は、最も純粋な形とも言えます。形を定める過程で、作り手の趣味や趣向を反映させることもできます。デザイナーやアーティスト等の感性を有した形は、世の中に彩を与えてくれます。しかしながら、強烈な自己表現の集まりが美しいかといえばそうではありません。だからといって、すべて円や四角といった幾何学的な図形で構成してしまうと、どこか無個性で、均一的かつ機械的なものになるように感じます。中立的かつシンプルなプロダクトに特別変な感情は抱きませんが、何か大切なものも削ぎ落されているように感じてなりません。
――では、何を大切にしたらいいのか。
原点回帰的ですが、思案の末に「風土と歴史」を尊重することが「いい形」を生み出す大切な作法なのではないかと考えるようになりました。
なぜこのような考えに至ったかといえば、自らの感性のみを拠り所にするよりも、土着の文化や精神風土、さらには固有の気候や、脈絡と受け継がれて来た技術や美意識等に寄り添い生み出す方が、自然の理のごとく、遥かに優れた形が生まれると感じたからです。
「風土と歴史」は思考の源泉であり、「かたちの源」といっても過言ではありません。そして幸いにも風土と歴史は、あらゆる国や地域に存在し、誰もがその恩恵を享受することができます。
「かたちの源」は、世の中を豊かにする叡智で溢れています。